子どもの興味・関心を大切に~今にとらわれない子育て~

今回は、私の息子の実体験をもとにお話しします。私には小学2年生の息子がいます。彼は3歳児から私が経営するこども園に通園しました。

彼は、大変穏やかな性格で自分のペースをとても大事にする子でした。こう聞くと親バカに思われるかと思いますが、あくまで仕事として彼を分析した彼の印象を書いています(笑)。

かなり穏やかな性格ですが、こだわりは強く行動や場面の切り替えには時間がかかりました。また、初めての体験に関しては非常に慎重でよく観察してから行動に移るタイプです。発語はゆっくりで、2歳すぎに聞き取れるものになりました。手先は器用ですが、運動神経はあまりよくないです。

特に発語がゆっくりなのと、場面の切り替えに時間がかかることで、療育センターに行くかどうか悩みました。私は保育・教育の分野にいるので早期の療育には積極的でした。来月には予約を入れようと思っている矢先に言葉が出始め、そこからは今までため込んできたものが溢れるようによく喋るようになったので結局いく事はありませんでした。場面の切り替えも以前より早くなり、心配するほどではなくなりました。おそらく、彼の中で認識できる世界が広がり「色々な事が分かるようになり、世界が広がった」のだと思っています。

また幼い頃から描画(お絵描き)にほとんど興味を示さなかったです。この点が非常に気になっていました。

「子どもの絵は聞くもの」これは当園で共通認識しているものです。お絵描きは上手い下手ではありません。子どもの大切な表現活動であり心の発達や頭の想像力の育ちに欠かすことのできない大切なものです。子どもたちの表現をじっくり聞くことで、その子の心の発達や状態を知ることができ、なによりその子と心でつながることができます。

今まで、絵が苦手な子どもたちともたくさん関わってきました。しかし、ここまで極端に描画に興味がない子は初めてでした。年中・年長中期の頃は描くことを嫌がり泣くほどでした。まさか、自分の息子が今まで関わったことのないタイプだなんて思ってもみなかったです。長年の経験と知識がありながら、いざ自分の子となると恥ずかしくも焦りました。

絵は苦手でしたがその他の表現活動は大好きでした。おしゃべりは大好き、廃材やブロックで自由に好きなものを作るのも大好きでした。

そんな彼に変化が起きたのが、年長の年度末2~3月頃でした。急に絵を描きだしたのです。

絵の内容は好きなキャラクターだったり、恐竜だったりです。それも小さくちょこっとでしたが、今までがいままでだったので驚きました。

彼が絵が描きたい気持ちになるまで、じっくり待ち無理強いすることなく関わってくれた先生方には本当に感謝しかありません。

小学生になると、まるで堰を切ったかのように絵をかきまくりました。毎日たくさん描いて、家の中はお絵描きの作品でいっぱいになりました。そして、お絵描き教室の存在を知ると、「僕、お絵描きの教室にいきたい。行かせて。」とお願いされるほどになりました。本当にびっくりです。

絵は上手い下手ではありませんし、今でもそこは私の認識の中でも揺らいではいませんが、彼の絵は以前とは比べ物にならないくらい豊になりました。

上手い下手という表現に抵抗があるため、「豊」という表現をさせてもらいます。

本当に細部まで描写された絵は今でも信じられません。

いったい、彼の中で何がおこったのか?保育教育の専門家としてそこに深堀していきたいですが、まだ答えは出ていません。

ただ一つ、分かった事があります。

それは、子育てや子どもの育ちには何があるかわからないということです。

まるで、水が流れるように育っていくのだと思いました。

水は決まった形をとらず色々な方向に流れます。予想ができません。時に緩やかに、時に強くあるいはいろんな所に枝分かれしたり、広がったり…。

もしかしたら、教育や子育ての本質は、子どものありのままを受け入れ、自然に身を任せていく事なのかもしれないですね。

長文失礼しました。

次回もお楽しみに!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です