子育ては一番尊くて使命のある仕事
「仕事と育児の両立は大変です。」「どうしたら上手く両立できますか?」と園長である私は聞かれることがあります。
当園の利用者の8割近くが共働き世帯なので、そのような悩みは多いようです。
そのような質問に私が答えるのは大抵、表題にある「子育ては何よりも尊い仕事なのです。お母さん(お父さん)は一生懸命に頑張っているじゃないですか。大丈夫です。」です。
答えになっていないかもですね。(笑)
どうも、世間の大半の方が会社や社会のコミュニティーでの評価だけを気にしていると思うのです。だから、「両立できるはず」「両立できて一人前」「できる人間は両立している」等と思っていると思います。
私の感覚で言うと、それは幻想です。「両立」なんて価値観は無意味です。
まず、大前提として子育ては何よりも尊い使命のある「仕事」ということです。
視野を広げて考えてもらいたいのです。
あなたの会社を支えているのは何ですか?おそらく経営者や従業員、顧客でしょう。まとめると人間です。
ではその会社が価値を提供しているのは何でしょう?おそらく地域や社会ではないでしょうか?そして、その社会が維持できているのは日本という国家があるからだと思います。
では、国家はだれが支えているでしょうか?会社ですか?
いいえ、会社ではありません。国家は人間によって作られ、人間によってそのシステムが支えられているのです。
そうです。人間を産み育て支えていくのは「親」「子育て」しかないのです。
極端に言うと子育てをおろそかにしては、将来的に社会が存続できず国が崩壊します。あなたの勤めている会社なんて存続できるはずがありません。
そう思うと、子育ては尊くて崇高な使命のある仕事なのです。何よりも優先されるべき仕事なのです。
「子育てが大変で仕事が上手くいかない。」「重要なプロジェクトから外された。」「残業できず、他の人に迷惑をかけているのではないか。」…。
そんなこと...全然気にする事はありません!
なぜなら、国家の否、人類の一大プロジェクト「子育て」を任されているのですから!
皆さんは、本当に尊い方たちなのです。
会社でミス?失敗?そんなの次頑張ればいいんです!それよりも、頑張って働いて時間になったら子どもの元に帰りましょう。家族で過ごしましょう。
何?上司から嫌な顔される?嫌味を言われる?そんなの気にしません!だって、人類の一大プロジェクトですから!その上司はほっとけばいいのです。
と、まあ色々言いましたが、ここまで極端にならずとも心のどこかでこの意識を持つ必要があると思います。
そうは言っても現実に仕事上の責任もあるし...と思っている方もいるかもしれません。
そういう方にお伝えしているのが、「育児50+仕事50=100でいいんですよ。両方100はそもそも無理ですから。」といっています。
どうも子育て前の状態が100としたら、そこに子育て100を+しようとする意識になるんですよね。そんなの無理に決まってます。
人間のキャパはそんなすぐに変わりませんし、子どもが生まれたから魔法のように能力が身につくものではありません。
基本的に人間のキャパは前向きな努力でしか広がらないと思ってます。
いいんですよ。仕事は50、育児も50で。
今は多くの情報で溢れている社会なので、他人のいろんな「両立してます風な姿」を見るのでしょう。
そんな一瞬や一時、特別な場面を切り取った写真に惑わされないで、自分の「今」を大切にしましょう。
あなたは世界でたった一人のママ(パパ)なんですから。胸をはっていきましょ!
なんか、色々書いてまとまりが無くなったので、最後に一言。
今の日本は凄い勢いで少子化が進んでいます。
多分我々大人たちが、「子育ては尊くて崇高な使命のある仕事」ということを忘れてしまったのでしょう。
だから、子育て家庭に冷たい社会になったのでしょうね。
だから、私は子育てを尊くて崇高な使命のある仕事に戻したいと思ってます。
みんなの子育てが業務委託のように誰かに委ねられるのではなく、家庭と地域に、そして社会に子育てを戻す取り組みをしたいなと思います。
世間から見たら本当に微力な力かもしれないですが、いつか必ず大きな力になると信じています。